「あなたのせいじゃない?」その一言に、心が壊れそうになるあなたへ
「学校に行きたくない」
お子さんのその言葉を受け止めるまで、たくさん悩み、ご自身を責め、涙を流す夜もあったかもしれません。そして、やっとの思いで「この子のペースでいこう」「この子を守ろう」と覚悟を決めたお母さん。
本当に、お疲れ様です。その決断は、誰にでもできることではありません。
でも、そんなふうに親子で新たな一歩を踏み出そうとした矢先、今度は周りの人々からの「何気ない一言」に、心がえぐられるような思いをしていませんか?
「甘やかしてるんじゃないの?」
「学校に行かないなんて、恥ずかしい」
「やっぱり、お母さんのせいなんじゃない?」
良かれと思って、あるいは心配して言ってくれているのだと頭では分かっていても、その言葉のナイフは深く、深く心を傷つけますよね。今日は、そんな孤独な戦いを続けるあなたが、これ以上振り回されずに、お子さんとご自身の心を守るためのヒントを、具体的にお伝えします。
対処法①「外部の人々」には、“受け流す”勇気を持つ
まず、ご自身の親や親戚、近所の方、ママ友など、同じ家で暮らしていない「外部の人々」からの言葉についてです。
結論からお伝えしますね。その言葉は、基本的に「無視して大丈夫」です。
「はいはい、また言ってるな」「ご心配おかけします」と、心の中で(あるいは口先だけで)軽く受け流しましょう。彼らの言葉に、いちいち心を揺さぶられたり、真剣に取り合ったりする必要は一切ありません。
なぜなら、彼らは心配はしてくれても、あなたのお子さんの人生に責任をとってくれるわけではないからです。無責任な言葉に振り回されて、あなたとお子さんが疲弊してしまうことほど、もったいないことはありません。強い言葉に聞こえるかもしれませんが、これはあなたと、何よりお子さんを守るために必要な「勇気」です。
対処法②「身近な家族」とは、根気強く向き合う
一方で、ご主人(お父さん)や、学校に通っているご兄弟など、同じ屋根の下で暮らす家族は、無視するわけにはいきませんよね。ここが、一番難しく、そして一番大切なところです。
ご主人(お父さん)が厳しい言葉を投げかけるとき
「学校に行けないなら勉強しろ!」「いつまで寝てるんだ!」
そんな言葉を浴びせるご主人の心の中には、実は「自分にかまってほしい」という寂しさや、仕事などのストレスをぶつけてしまっているだけの未熟さが隠れていることがあります。
また、「俺たちの頃は、辛くても我慢して学校に行ったんだ」というご自身の経験談を持ち出すこともあるかもしれません。でも、時代は変わりました。理不尽なことを我慢する必要なんてないのです。
感情的に「そんなこと言わないで!」とぶつかるのではなく、「この子も、学校に行けるものなら行きたいんだよ。それができないくらい、心が苦しいんだ」「頭ごなしに怒っても、何も解決しないよ」と、何度も、何度も、根気強く話し合いを重ねていくことが必要です。時には、専門家が発信しているYouTube動画などを一緒に見てみるのも、一つの方法かもしれません。
きょうだいが、冷たい態度をとるとき
学校に行っているお兄ちゃんやお姉ちゃんが、不登校の弟や妹に厳しく当たること、ありませんか?
その背景には、決められたルールから外れることへの戸惑いや、不登校のお子さんに親の関心が向くことで「自分も甘えたい」「もっと私を見てほしい」という無意識のサインが隠れている場合があります。
ここでの一番の目的は、家族の中で「敵・味方」を作らないこと。不登校のお子さんを一方的にかばうのではなく、「あなたの気持ちも分かるよ。学校で毎日頑張っていて、えらいね」と、きょうだいの心にも寄り添い、ケアしてあげることが、家族全体のバランスを保つ上でとても大切になります。
何よりも大切なのは、家庭という「居場所」
考えてみてください。学校という居場所を失い、苦しんでいるお子さんにとって、家庭は唯一「ホッとできる」最後の砦です。その大切な場所でまで、身近な家族から攻撃されてしまったら、お子さんには物理的にも、精神的にも、本当に居場所がなくなってしまいます。
家族一人ひとりの気持ちを汲み取りながら、対応を考え、言葉を選ぶ…。お母さんであるあなたが、どれほど大変な「マルチタスク」をこなしていることか。本当に頭が下がります。
最後に、今、頑張っているあなたへ
「周りを変えよう」「すぐに理解してもらおう」と思っても、人は簡単には変わりません。だから、「今は仕方ない」とある意味で割り切りながら、あなたが信じることを、ただ淡々と伝え続けていくしかないのかもしれません。
「つらいな」「どうして私だけがこんな思いを…」と感じますよね。それは、当たり前の感情です。どうか、ご自身を責めないでください。
でも、忘れないでください。どんな状況でも、お子さんが最後に頼れるのは、お母さんである「あなた」なのです。
あなたは、一人ではありません。私もここで、あなたと一緒に悩み、応援しています。一緒に、一歩ずつ進んでいきましょうね。